「世界の果ての通学路」は、道なき道を何時間もかけて通学する子供たちを追った、感動のドキュメンタリー映画。
新聞か雑誌の記事を読んで、ずっと気になっていた。毎日往復30キロって、どんな子供たちなんだ!

tugakuro1「今日は世界の果てに行ってQね。帰りは遅くなる」と冗談を言って自宅を出た。
しかし、映画が始まったとたん、興味本位で見に来た自分に反省した。

野性のキリンや象が生息するサバンナを駆け抜けて、命がけで通学するケニアの兄妹。片道15キロ、2時間。
誰もいないパタゴニアの山や草原を乗馬で通うアルゼンチンの兄妹。片道18キロ、1時間30分。
女子に教育は不要だという古い慣習がある辺境の村に住むモロッコの少女たち。片道22キロ、4時間。
足が不自由で車椅子のインドの少年。弟ふたりが車椅子を押して登校する。片道4キロ、1時間15分。

tugakuro2.JPG大自然をバックに様々なトラブルに会いながらも日々通学する、
子供たちの真剣な顔、純粋な表情が新鮮だった。

観ていてドキドキしたのは、危険な象の生息するサバンナを命がけで駆け抜けるケニアの兄妹。
キリンの群れの中を走っていく姿は、まるでインディジョーンズのようだ。

インドのガタガタ道をおんぼろ車椅子で通学する兄弟たちが無事に学校に着いて、
友人たちが走って集まってくるシーンでは、自然に涙が。学校に到着しただけなのに…。
近くに座っていたご婦人たちは、ずっとハンカチを握り締めていた。

通学するのにこれほどの信念と勇気を試されるのだから、
子供たちの将来の夢もきっと叶うにちがいないと思う。

DVDになった時には、小学校まで7、8分の我が子と一緒ににもう一度観てみたい。
彼らと同じ小学生だが、何を思うのだろう。